チタン製のブロンプトンが欲しい


2013年の9月に生産が終わってしまったチタン製のブロンプトン。と思ったら終わってはいなかったらしく、年に数台は日本に向けて出荷している。チタン製とはいってもフォークと後ろ三角がチタン製というだけで、フレームそのものは通常と同じハイテンなので700g程軽くなるだけなのだが、それでもその700gが喉から手が出るほど欲しい。

住宅事情で出かけるたびにブロンプトンを持って階段を上り下りしなければならないため700g軽くなるのなら10万円位払っても良いという心境なのだ。

どうやって手に入れるかだが生産終了してしまったので店頭では不可能だし、Yahooのオークションにも殆ど出てこない。

日本では殆ど出品されないチタンのブロンプトンだが、イギリス本国では絶対量がまったく違うらしく、たびたび出品されている。ただし観察していると、入札者が居ないまま早期終了されるケースが意外と多い。


イギリスではチタン製ブロンプトンの出品は意外と多い

ebayのオークションにはイギリスから度々出てくるが、ともかく落札額が高すぎる。昨今の円安と日本からだと送料の他、税金も色々かかる。
それでも大ハンディの中、私は何度も入札をしてチャレンジはしてみたのだが、連戦連敗が続いていく。


上は代行業者セカイモンのウォッチリスト。金額はebayの金額。


だいたいチタンの後ろ三角だけで落札額が10万円を超えている。フォークだけが5万円といった相場に絶望感さえただよってくる。送料と税金、両替もろもろで後ろ三角だけで13万円以上かかりそうだ。代行業者を使うともっとかかる。
いくら生産終了でもこのプレミア感は異常なのではないか。私の様にすごく欲しい人たちが世界には何人もいるらしい。

ebayでのチタンのブロンプトンの出品は確かに度々あるのだが、ロンドンで手渡しのみという制限つきの出品が多く、全世界へ発送してくれる出品は意外と少ない。輸送トラブルの他、恐らくは決済に使われるpaypalの手数料の事もあるのだろう。


発送はするがイギリス国内のみという出品も多く、この場合は日本からは代行業者に頼むしかないが代行料金が結構かかる。

日本ではチタン製のブロンプトンといえば最軽量のストレートハンドル、2速で余計なものは付いていないものが殆どだが、イギリスではMハンドルやPハンドルの6速にハブダイナモ、ライト、リアキャリア付きという、「軽くしたいの。重くしたいの。どっちなの。 」 という満艦飾ブロンプトンが多く、基本的な体力が日本人とは違うのだろうか。

わが国ではあまり気にしないライトも、冬の夜が長いイギリスでは必須らしい。歩道を走れないイギリスではライトは命を守る重要な付属品なのかも知れない。
リアキャリアも構内で転がせるイギリスならではの理由なのだろう。


それでもチタンブロンプトンの落札に成功

それでも何度か入札しているうちに、終に落札に成功してしまった。
そして、ここからがトラブルとの遭遇と代金返還までの2ヶ月強の全記録となる。

一応出品者の評価だけは確認してから入札した。良評価が200以上付いていて悪評価0の良評価率100%の問題無い出品者と思っていた。いや、今だにさほど悪いやつだったとは思っていないのだが。

落札が決まるとebayからおめでとう落札しましたとメールが届いた。落札金額の他、日本への送料も記載されていてpaypalを使って支払うように書いてある。
そして合計額をpaypalで支払い出品者にも簡単な挨拶と支払い済みな事と確認できたら発送をお願いするメールを送る。メールといってもebay内の連絡板で内容はヤフーオークションの様に、やり取りがebay内に残る。

paypalでの支払いが終わると、paypalから支払いが終わった事と、売り手に発送を依頼した由のメールが届く。

そして出品者から月曜日に送るから金曜日には届くだろうという何だかアバウトなメールがebay経由で届く。日付がないので来年の月曜かもしれないなどと突っ込みたくなるが人種が違うので、それが普通の事なのか。

しかし中々ブロンプトンが届く様子も無いので催促すると、運送会社のホームページと配送品の確認番号を知らせてきたので確認すると、以下の追跡結果が表示された。


5th May 2014 @ 11:55 Collection Scheduled
配送スケジュール
7th May 2014 @ 14:21 Prepared for export / in transit
輸出の準備/運送中
8th May 2014 @ 19:47 Departed sort facility
出発
下段と時間が入れ替わっている
8th May 2014 @ 18:30 Arrived at sort facility
仕分け分類施設到着
21st May 2014 @ 15:30 Standard customs procedure/under inspection
標準の税関手続き/適法性・適合性検査
日付がまったく狂っている
12th May 2014 @ 15:15 Customs: Clearance delay
税関 : 通関手続き 遅延
13th May 2014 @ 12:23 Customs clearance: Approaching customs deadline
税関通関手続き : 最終期限に近づく
20th May 2014 @ 14:13 Customs clearance: Past customs deadline
税関通関手続き : 最終期限を過ぎる
22nd May 2014 @ 08:00 Shipment held by agent: Track file open
出荷保留
27th May 2014 @ 15:15 RETURNS: Customer to collect
返送 : 顧客(品物を)受け取る


何だか良くわからないが、これを見る限り税関に引っかかって品物が行ったり来たりしているらしい。
左の時間が上から下に綺麗に並んでおらず配送が混乱しているのか、コンピューターのバグなのか判らないが、結局商品は戻ってしまったらしい。

何度かのやり取りの後、watssappで話し合おうと提案される。watssappはスマホの無料通信サービスなので、これを使うとebayにやり取りの様子が残らない。つまり場外乱闘へのお誘いかなとの疑念が沸く。

私はガラケーだし、英語も細かいやりとりは出来そうも無いので断り、ebayのサイト内でのやり取りを続けたいと希望を延べ相手も同意する。

しかし、商品は相変わらず届く気配さえない。


異議申し立て

仕方が無いので商品の方は諦めるとして、支払ったお金を取り戻さなくてはならない。
その場合のためにpaypalには支払い後45日以内なら異議申し立て出来るサービスがある。この段階ではpaypalの中でお互いにメールを出し合って解決に向けて話し合うわけだが、paypalによるとこの段階で殆どのケースが解決するらしい。

一月を過ぎた頃、異議申し立てをしてみるとpaypalから海外発送なのでもう少し待ってみてはどうかとの提案のメールが来た。
どうせダメだろうと思いながらも一応45日の期限までは少し間があるので待つことにする。
40日を過ぎたので再度異議申し立てをすると今度は受理された。

ここからはpaypal内でのやり取りになり、やり取りの様子はpaypalに残る。


そして結果、運送会社の追跡結果が表示された。先の結果と同じものだが、下に2段追加されている。
5th May 2014 @ 11:55 Collection Scheduled
配送スケジュール
7th May 2014 @ 14:21 Prepared for export / in transit
輸出の準備/運送中
8th May 2014 @ 19:47 Departed sort facility
出発
下段と時間が入れ替わっている
8th May 2014 @ 18:30 Arrived at sort facility
仕分け分類施設到着
21st May 2014 @ 15:30 Standard customs procedure/under inspection
標準の税関手続き/適法性・適合性検査
日付がまったく狂っている
12th May 2014 @ 15:15 Customs: Clearance delay
税関 : 通関手続き 遅延
13th May 2014 @ 12:23 Customs clearance: Approaching customs deadline
税関通関手続き : 最終期限に近づく
20th May 2014 @ 14:13 Customs clearance: Past customs deadline
税関通関手続き : 最終期限を過ぎる
22nd May 2014 @ 08:00 Shipment held by agent: Track file open
出荷保留
27th May 2014 @ 15:15 RETURNS: Customer to collect
返送 : 顧客(品物を)受け取る
11th June 2014 @ 16:00 Delivered & Signed For
配達費込みの & 署名された
12th June 2014 @ 09:32 Returned to customer
顧客に返送
しかしやっぱり商品は戻ってしまったらしい。

これまでのいきさつから商品の届く可能性は無いと諦め始める。

異議申し立てで解決しない場合はpaypalのクレームへと移行できる。これは支払いから60日を過ぎてしまうと効力が無くなり、以降は買い手は文句が無かったとみなされ一切の要求が出来なくなる。


クレームへエスカレーション

支払日から55日を過ぎるとpaypalから、支払いから60日までにクレームに切り替えないとオークションは解決したものとしてやりとりは終了するとの警告メールが届く。

特に進展もないのですぐにクレームへとエスカレーションさせる。
ここからはpaypalの裁定となりpaypalが様々な調査をしたうえで結果を出す。

そして一週間後paypalから「お客さまの主張を認める決定となりました。」というメールが届いた。そして送料を含め支払った全額をこちらに払い戻したと記してある。さらに払い戻しが必要ならば最善の努力をするとある。
それって、慰謝料でも要求すれば取れるって事??

大体悪質な出品者の場合、paypalの裁定にはさほど時間はかからないらしいのだが、今回は金額が大きかったのと、一概に出品者が悪いやつとも断定出来ない所もあって、調査に時間がかかったものと思われる。

そして無事お金は返ってきたのだが支払った全額ではなかった。正確にはクレジットカード経由なので銀行口座に入金があるのは、またしばらく先になるのだろう。
一度ポンドに両替した後、再度円に両替しているので、ポンドでの金額は同じでも、行きも帰りも手数料を取られてしまったらしい。
まあ弁護士に取立てを頼んでも手数料を取られるし。

というわけで 「何という金払いの良い買い手!」 という素晴らしい評価?をさっさと貰ってしまったので、高評価を一つ1万円以上で貰った情けない計算になってしまった。
私の方は60日を過ぎてしまったので売り手の評価は出来なかったし、逆に相手も私の評価の変更は出来なくなった。

この年で授業料と思えば安いものだと思うべきなのだろうか。金額よりも待ち続けた2ヶ月の切ない時間を返して欲しい。


ebayオークションでの大切なこと

今回の事は貴重な経験ともいえるが、外国人が相手だけにトラブルは結構あるらしい。

売り手や買い手とのやり取りは必ずebay内での連絡板を使用して、やり取りを残し、トラブルの場合にやり取りが判るようにする。
支払いは必ずpaypalを利用して、もしものときに備える。
paypalへの異議申し立ては支払い後45日以内。
paypalへのクレームは60日以内。
それを過ぎると、商品を受け取っていなくても何の権利も無くなる。

その後、どうなったかと言うと

その後ebayを見ていても、中々良い出物が無くて画面を眺めるだけの日々が続いていたのだが、ついにこれは良いかもという出品にであう。
即決価格での出品だったのだが、配送が英国内のみの商品のため、代理業者であるセカイモンを利用することにした。セカイモンへの登録は既にしてあるので、セカイモンのサイトから落札するだけ。
有事の際の保障もセカイモンがするとあるが、実際には私の受けたpaypalの保障をpaypalとセカイモンの間でするという事らしい。
何と太っ腹と思ったのだが、そういう事だった。

ただし、セカイモンを利用すると日本語でのやり取りとなるので楽は楽だが、落札代行手数料とイギリス国内送料を取られる。チタンブロンプトン程度の落札価格だと、おおまかに落札価格の1.5倍位が実質の支払い総額になると覚悟しておいたほうが良い。


そして落札するとすぐに登録しているクレジットカードからセカイモンへの1次決済金額が差し引かれて、出品者には商品総額がpaypalを使って送金された。


2次決済金額は通常商品到着時に運搬業者に支払うのだが、今回は特別サイズのため見積もった後に銀行振り込みかクレジットカードで先払いの指示があった。特別なサイズと言われたのでどんな梱包してあるのかと思って届いた物を見たら、いつものブロンプトンのダンボール箱だった。
ブロンプトンのダンボール箱は3辺の合計が150cmぎりぎり収まるように出来ていて、あのダンボールの大きさでも特別サイズとなると、自転車の場合もっと大きいものは色々問題もありそうだ。


国内運送会社 Parcelforce の追跡履歴
Item tracking history
Date Time Location Description
1/8/2014 9:11 London North West Depot… Delivered
配送完了
1/8/2014 7:36 London North West Depot… Departed from delivery depot
配送デポからディパーテッド
1/8/2014 1:30 London North West Depot… Loaded to vehicle for delivery
配送のために車両にロード
1/8/2014 0:12 London North West Depot…
ロンドンノース・ウェスト・デポ...
Received at delivery depot
配送デポで受信
落札日が7月29日で8月1日にはセカイモンの方に届いているので、イギリスの宅配事情は判らないが動きは早いと思う。時間軸は下から上へ。

その後、色々輸出の手続きや運賃見積もり等があってブロンプトンがイギリスを出発したのは10日後の11日。


DELIVERY COMPLETED
STATUS DATE BRANCH
RECEIVING 2014/08/11 YAMATO TRANSPORT EUROPE LONDON-HARROW
SHIPPING
ヤマトヨーロッパから出荷
2014/08/12 YAMATO TRANSPORT EUROPE LONDON-HARROW
ARRIVAL
羽田到着
2014/08/14 HANEDA CHRONOGATE BRANCH
IMPORT CLEARANCE
輸入税関
2014/08/14 HANEDA CHRONOGATE BRANCH
IN TRANSIT 2014/08/14 KOKUSAITAKKYUBIN SERVICE CENTER
DELIVERED
配達完了
2014/08/15 LOCAL TAKKYUBIN OFFICE


届いたチタンブロンプトンは私の期待を超えるものだった。つまり年月は経ているにもかかわらず殆ど新品状態。ただし、右ペダルが破壊されている。これについては最初から説明があったので知ってはいたのだが、破壊具合が凄まじかった。


一部が欠落して残った外周の根元の一箇所で回転軸と首の皮一枚で繋がっている状態。
漕ぐだけで割れるようなペダルではないし壊そうとしてハンマーでたたいても相当の力が必要だろう。これはとんでもない力が瞬間的にペダルの先端にかかったと思われ、おそらく100Kg超級の人間が右からケンケン乗りで、べダルの先端に右足で全体重をかけてまたがろうとした瞬間に、バキっとやってしまったのではないだろうかと想像してみた。

転んで若干の怪我くらいはしたのかも知れないし、その際、折れたペダルの先端を踏み潰したせいで先端が欠落しているのかもと、他人の不幸な想像は膨らんでいく。
そして結果、この繊細な自転車に乗る気をすっかり無くした前ユーザーの部屋の置物になってしまったのではないだろうか。

このペダルの破損が入札の明暗を分けた気がする。やはり事故車の場合、他の部分もダメージを受けている可能性があるので、入札を断念したライバルも居たのかもと思ったりした。舐めるように全体を見てみたが怪しい傷跡は見つからなかった。



ケーブルとフレームとのすれ具合を見れば大体の使用頻度が判る。黒色以外のブロンプトンなら大体ケーブルがすれてケーブルがこすれた部分のフレームが横に黒くなる。


シリアルナンバーを見てみると0708から始まっている。最初の2つは生産年、次の2つが生産月を表すとブロンプトンのホーページに書いてあったが、ちょうど7年経っているという事か。そんなに経っているにしては塗装の剥げやこすれが無い。本当に全然乗っていなかったらしい。

ただし、台湾ブロの場合はフレームの光沢面が非常に硬くすべりが良いらしく色にかかわらず何年経ってもケーブルのすれ跡が目立たない。


結局私は運が良かったのかもしれない。海外の場合、そうとう使い古したものでも売っているらしので、届いたとしてもYahooオークションのつもりでいると愕然とすることも多いという話を聞く。ともかく出品者評価と写真と説明だけはよく読む必要がありそうだ。


青空と緑に映えるアップルグリーンのチタンブロ。別に緑が好きなわけではなく生産停止中のチタンブロには、現在色の選択肢はほとんど無い。古いセラのふわふわサドルは驚くほど気持が良いけれど、すぐに壊れそう。気持ちよくて軽くて壊れにくいサドルって中々無い。

肝心のチタンになって軽くなったかというと、内装3速は同じだし、純粋に前フォークと後ろ三角だけがチタンになっただけなので現在10.7Kg。タイヤを軽くすればもう少し軽くはなるけれど実用的にはこれで良いかなと思う。
軽いだけ軽くしても実際に使いにくくなったら仕方が無いのでしばらくこれで使ってみようと思う。


クレジットの引き落としがどうなったかというと

引き落としの明細を見てみると、前回の戻ってきたお金が、銀行まで振り込まれずにクレジットカード会社にキャッシュされていたので、今回との差額だけを引き落とす明細になっていた。

前回2ヶ月間待って待ちくたびれたので、今回の17日なんて平気かと思ったら、今回は動きが順調だったせいか非常に待ち遠しかった。
ともかく無事届いてよかった。

ちょっと気になってebayの方の評価はどうなっているのかなと行って見たら、セカイモンがすでに評価を入れていた。評価も代行というわけ。
私にはセカイモン独自の評価を入れるようになっていて一応評価した。この評価は今は公開されないが将来は公開されるシステムになるそうだ。