タンゲ110㎜に挑戦


タンゲの113㎜のボトムブラケットを台湾ブロンプトンに付けるのには問題なく成功したのだが、英国ブロンプトンにもタンゲを付けてみたくなった。別にブロンプトンの純正BBの回り方に不満があったわけではなく、プラスティック製のカバーが何となく信頼性に疑問を感じさせ、まあやってみようと思い立ったわけだ。
タンゲLN-7922の113㎜と118㎜にはみんな交換しているので、はたしてタンゲLN-7922モデル110㎜はブロンプトンに使えるのかに挑戦してみることにする。


110と呼んでいるが、実長は110.5mmと記してあり、計るとやはり110.5mmだった。外から見ただけで車軸が短いのが判る。


軸の短いBBを使いたい



何故BBを少しでも短くしたいかというと、ブロンプトンを折りたたんだときの仕舞寸法の厚さ27㎝の一番出っ張っている部分は左右のペダル部分であり、そこを1ミリでも引っ込められれば、持ち歩くときに壁や物にぶつかる確立が減る。右手で持った場合に右後部下に位置する右ペダルは、細い廊下や階段を曲がるときに引っ掛け易い部位なので1mmは引っ込めたい。


左ペダルは、やはり折りたたんでカバーを被せるとピョコンと飛び出る場所なので、限界まで引っ込んでも構わない。



パラシュートの生地とか書いてあった布を東急ハンズで求め作ったカバー。「馬子にも衣装」 の反対で、生地が薄いため黒いゴミ袋をかぶせているようにも見え、大切なブロンプトンが粗大ごみのようだ。まあ、行けるところまで行って戻ってこれないときの非常時電車用なので、薄い生地の方がかさばらない。左側ペダルの出っ張りも目立っている。


パラシュート生地は広げると黒いゴミ袋風になるのだが、折りたたむと非常に小さくまとまる。


右側の出っ張り具合


タンゲLN-7922モデル110㎜を見た感じでは右側の軸の出方が非常に短い。


そこで台湾ブロンプトンに付けているタンゲ113mmの右に出ている軸の長さを計ると20.15mm。


そしてこちらはタンゲ110mmで右側の軸長が17.35mmしかない。113mmでも折りたたんだ時にチェーンと後三角フレームがすれているので、この時点で台湾ブロンプトンにはタンゲLN-7922の110mmは使えず、113mmが限界だと言う事がわかった。


ブロンプトンのボトムブラケットを外す



クランクをBBにねじ込んでいるフィキシングボルトを外す。フィキシングボルトは左右とも正ネジで左に回せは緩められる。


コッタレス抜き専用の工具TL-FC10でクランクを外す。左右とも正ネジ。


このブロンプトンの星型のBBを外すためだけにUSA製のPARK TOOL BBT-4なるBB回しを買い求めた。外すだけなら手持ちの工具で無理やりという手もあったのだが、110mmのBBが使えなかった場合に元に戻す選択肢も残しておこうと買い求めた。


ボトムブラケット比較



外したブロンプトンの純正BBの長さを計ってみると何と119mmもある。ドイツの大手FAG製でグリース不足気味ながらカラカラと悪い回り方ではない。それよりも一気に8.5mmも短くなって本当に使えるのかと不安になる。写真は上部から撮影しているので比較は大体この写真の通り。


FAGの方を計ってみると250g。プラスチックで囲ってあるにしてはこんなものか。


タンゲの方を計ってみると235gで15gほど軽い。軸の長さが完全に重さに影響しているようだ。


タンゲの110mmを取り付け



BBの本体側のネジを綺麗に掃除した後、グリースを塗ってタンゲのBBを取り付け開始。


右側にタンゲのLN-7922モデル110㎜を手で途中までねじ込みTL-UN74-S を差し込む。右側は逆ネジなので注意する。左側もBBの左側カバーをねじ込む。左側は正ネジ。



TL-UN74-Sをレンチで回して締め付ける。


最後まで締めていくとこんなにクランク軸が引っ込んでいる。これは絶対駄目だと思いながらとりあえずクランクセットを差し込んでみる。


案の定、フィキシングボルトでクランクを締め付けるまでも無く、チェーンが後三角にぶつかって動かなくなった。


仕方が無いのでBBカバーの内側にOリングを一個かませて見た。Oリングの分だけクランクが右に移動するはず。



BBを右に移動させるにはともかく左から押してやらないと、というわけで無理やりねじ込んだので左側はBBが完全に隠れてしまった。左側のクランクを引っ込ませるのが主目的なので、右があまり引っ込むのは困る。それにしてもこんなにねじ込んで取れなくなったらどうしよう。


この状態で右の本体とクランクの間は7.2mm。



純正のBBの時は9.1mmなので1.9mm引っ込んだ事になる。本当は右側は1mm引っ込むくらいで十分だったのだが、折りたたんだときのチェーンがネジにすれている。


左側の本体とクランクの間は4.0mm。



純正のBBの場合は6.7mmだったので2.7mm引っ込んだ事になる。フィキシングボルトを時間を置いて何度か締め付ければ、もっと引っ込みそうだ。
ペダルが内側に寄ったので、かかとをローラーに引っ掛ける確立が高くはなった筈なのだが、ガニマタは靴をいくつか犠牲にしながら多分克服した筈なので大丈夫と思う。
タンゲのBBについては、ブロンプトンには113mmか118mmという結論が出てしまった。もっとも113mmの方は折りたたみ時に、チェーンが後三角のヒンジ部分と接触する危険性もある。
ただ私的には26cm台に突入した折りたたみ時の厚さは、持ち運び時の大きな利点なので、このまま110mmを使っていこうと思う。
乗った印象ではたかだか数ミリなのでペダルが狭くなった感覚はまったく無い。タンゲのBBの方は忍者の抜き足でスーっと走っているようなスムースな回り方が印象的で確かに違いはあるようだ。


左右にひっくり返すとどうなるか


その後、タンゲのBBを取り付けるときに左右の出方が違っていたのでは、という事を思い出した。
もう少し全体に右に寄ってくれればと思っていたのでもしやと思って再びBBを外してみた。

カップを外すと明らかに左のほうが沢山出ている。つまり軸だけ左右を逆にすればボトムブラケットが右に寄って、理想の形になるのではと思えた。


右側の出方はベアリングから22.4mm。


左側は25.3mmで右より2.9mmほど長い。左右をひっくり返せば3mm近くBBは右に移動することになる。



そして、中の軸だけをひっくり返して付け替えると、右側はちょうど良い具合の出方になった。


左側は希望通りの非常に引っ込んだ状態が実現した。ただ、これはブロンプトンの折りたたみペダルの形状でのみ可能な話で、普通のペダルでは足が内側に入りすぎて、かかとがイージーホイールに擦れやすくなってしまうだろう。



ブロンプトンの左側折りたたみペダルはその形状から、クランクの位置よりも足は1cm以上外側に出る。


クランクとペダルを取り付け折りたたむと、チェーンと後三角フレームとの隙間は、これ以上は無い隙間加減で芸術的なほど。折りたたんだ状態では摺れるほど接近していても、展開すればチェーンはフリーになるので走行での支障はまったく無い。



上から眺めてみると、わざわざオーダーであつらえたほどピッタリで思い通りの取り付け位置になった。
ブロンプトンを折りたたんだ状態で厚さを測ってみると26.7cmで、少し傾けて押さえつけると26.5cmになった。


ブロンプトンをひっくり返して下から見るともっと判りやすかった。私にとっては限界的な薄さに出来たので、持ち運びにも電車持込にも収納にも、芸術的なほどきっちりと折りたためる結果に大満足なのだった。自転車を折りたたんだりしない人には判ってもらえない話なのだろう。